運営理念はコチラ

筋トレパフォーマンスを高めるベータアラニンの効果とは?

この記事では、筋力トレーニングのパフォーマンスを高める効果が期待されるベータアラニンについてご説明します。

はじめにベータアラニンに関する基本的な知識をお伝えし、続いて、ベータアラニンが身体に与える作用をご紹介するとともに、筋トレに対してどのように影響を及ぼすのかについて、科学的な根拠をもとに解説していきます。

ベータアラニンとは?

肉類に含まれるアミノ酸の1種

ベータアラニンとは、たんぱく質の構成要素であるアミノ酸の1種です。

スーパーなどで買える食材として一般的な、牛肉や鶏肉などの肉類に多く含まれている栄養素です。
また、食べ物からだけでなく、僕たちの体内(肝臓)でも合成されています。

ベータアラニン自体には筋トレ効果はない

はじめに申し上げてしまうと、ベータアラニン自体には筋力トレーニングに及ぼす有益な効果はないのです。

しかし、ベータアラニンをもとに体内で合成されるカルンというたんぱく質が、筋トレのパフォーマンスを高める作用をもたらすとされています。

カルンとは?

ベータアラニンは、体内でカルンの「律速前駆体」としての役割を果たしています。

「律速前駆体」という言葉にあまり聞き覚えがないかもしれませんが、カルンを合成するためにベータアラニンが必要となるのと同時に、カルンが合成される量が、ベータアラニンがどれくらい使えるのかが影響する、ということを意味しています。

つまりベータアラニンは、カルシトニンの合成を介して筋力トレーニングの疲労回復に寄与する可能性のあるアミノ酸なのです。

ベータアラニンの筋トレ効果

ベータアラニンの効果

  • 筋力アップ
  • 筋トレの疲労軽減
  • 除脂肪体重の増加
  • クレアチンとの相乗効果

筋力アップ効果

2008年、ニュージャージー大学がフットボール選手を対象に行った研究で、1日あたり4.5gのベータアラニンを30日ほど摂取すると、ウエイトトレーニングでより重い重量を挙げられるようになったことがわかりました。

同時に、筋トレによる疲労の感じるスピードも遅くなるという変化まで確認されました。

参考 Short-duration beta-alanine supplementation increases training volume and reduces subjective feelings of fatigue in college football players.PubMed New and Noteworthy

筋トレの疲労軽減効果

ベンチプレスやデッドリフトのように、瞬間的に高負荷がかかる無酸素トレーニングを行うと血液中のph値が低下するとともに、筋線維(筋繊維)に水素イオンが蓄積されます。

水素イオンにはミオシンとアクチンの平滑を妨げる働きがあり、これが筋肉の疲労感として体感されるのです。

摂取されたベータアラニンはカルンというアミノ酸の生成を助け、このカルンは筋肉内にある水素イオンを減少させてくれるのです。

その結果、ベータアラニンを摂ることが筋疲労の緩和につながるわけです。

除脂肪体重の増加

ベータアラニンには体脂肪減少と筋肉増加という効果が期待されます。

オクラホマ大学の研究で、46人の男性にベータアラニンを摂取してもらいながら高強度なインターバルトレーニングを行ったところ、トレーニングのパフォーマンスが向上するとともに除脂肪体重も減少したと報告されています。

参考 Effects of beta-alanine supplementation and high-intensity interval training on endurance performance and body composition in men; a double-blind trial.PubMed New and Noteworthy

クレアチンとの相乗効果

ベータアラニンはクレアチンとともに摂取すると相乗効果を発揮します。

クレアチンは筋肉に貯蔵されることで即使えるエネルギーとして活躍するため、高強度な筋トレをしている方にとって有用です。

最後の1レップをあきらめずにこなせるかどうかは、クレアチンをとっているかどうかで左右されることも珍しくありません。

ベータアラニン×筋トレ(サンパウロ大学)

ここからは、ベータアラニンと筋力トレーニングとの関係について説明していきます。

これに関しては、サンパウロ大学などの研究者らがシステマティックレビューを行い、メタアナリシスという手法を用いて、ベータアラニンと運動効果(筋力トレーニング含む)に関する研究成果をまとめているので、それを参考にします。

システマティックレビューというのは、予め決められている手順に沿って研究成果を系統的にレビューする方法で、メタアナリシスは、それらの研究成果を統計学に統合する方法です。

複数の研究の結果を統合し、より高い見地から分析すること、またはそのための手法や統計解析のことです。 メタ分析、メタ解析とも言います。 ランダム化比較試験(RCT)のメタアナリシスは、根拠に基づく医療において、最も質の高い根拠とされます。

引用元:メタアナリシス

つまり、今回紹介する研究は、あらゆる環境や条件で行われた世界中の研究結果を1つにまとめた、その研究の集大成ともいえるようなものなのです。

この論文では、ベータアラニンと運動について、以下のように結論づけています。

  1. 運動に対するベータアラニン補充は、運動能力向上に効果があった
  2. 運動時間が短い場合(30秒未満)は効果がなく、30秒~10分の運動では最大の効果をもたらした
  3. 普段から訓練されているアスリートは、一般人よりも効果が少なかったが、全身運動などでは同様の利益が得られていた

これらは間違いなく、ベータアラニンが、運動に対して有益な効果を持つことを示した内容です。

全体的な内容としても、ベータアラニンの運動に対するポジティブな効果を報告しています。

ベータアラニンが筋力トレーニングに効果を発揮する理由は?

ここからは、なぜそのような効果をベータアラニンが発揮するのか、その理由について説明します。

結論から言うと、ベータアラニンから合成されるカルシトニンが、運動による疲労軽減効果を介し、運動中のパフォーマンス向上や筋力トレーニングの回数増加をもたらす、というのが理由です。

筋力トレーニングを行える回数が増加すると、筋力アップにもつながるということは、容易に想像できますね。

皆さんも、筋力トレーニングをした際に、強い疲労感を覚えた経験があるかと思います。
その疲労感は、乳酸が筋肉に溜まってしまい、筋肉でのATP量が減少してしまったことに起因しています。

強い筋力トレーニングを行う際、人は筋肉内に存在するATPを分解してエネルギーを得ます。
その際、代謝産物として乳酸が筋肉内に蓄積してしまうのですが、この乳酸が厄介者。乳酸が筋肉内のpHを低下させ、乳酸アシドーシスを引き起こすからです。

この状態になってしまうと、筋肉でのATP利用が抑制され、またさらなるATPの合成も防止されてしまいます。
そのために、運動して乳酸がたまると、疲労感を感じるというわけなのです。

しかし、カルシトニンには、乳酸などによるアシドーシスを緩衝する働きがあります。
そのため、ベータアラニンを摂取し、筋肉中にカルシトニンが増加すると、疲労軽減の効果が期待できます。

実際、13人の成人男性に4週間に渡ってベータアラニンを摂取してもらい、その有効性を調査した研究では、ベータアラニンの摂取によって58.8%のカルシトニンが増加したこと、高強度のサイクリングにおける総運動量が13.0%増加したことを報告しています。

これは、ベータアラニンがカルシトニンを増加させ、それが運動による疲労軽減をもたらすというメカニズムを裏付けるものです。

ベータアラニンの筋トレ効果まとめ

本日は、ベータアラニンがもつ筋力トレーニングへの影響についてご紹介しました。

今回ご説明したメタアナリシスの研究からは、ベータアラニンが筋力トレーニングに対して有益であるということと同時に、その適応には運動時間に関するある種の制限があるということも明らかになりました。

ベータアラニンの使用を検討しているという方は、運動時間について配慮するようにしてください。